転倒予防に取り組む上で大切なことは、まず転倒の怖さを知り、予防の重要性を強く認識することだと思います。そこで、今回は転倒予防の重要性を再認識して頂き、運動の一部をご紹介させて頂きますので今後の生活に役立てて頂ければ幸いです。
転倒予防に取り組む上で大切なことは、まず転倒の怖さを知り、予防の重要性を強く認識することだと思います。そこで、今回は転倒予防の重要性を再認識して頂き、運動の一部をご紹介させて頂きますので今後の生活に役立てて頂ければ幸いです。
65歳以上の高齢者における転倒率は30%となっており、約3人に1人が、1年の間に1回以上転倒するというデータが出ております。また、転倒された人のうち5%に骨折が認められたと言われており、これを我が国の高齢者人口(令和6年3624万人)を基に計算すると約3秒に1人が転倒し、1分に1人以上が骨折していることになります。この数字から転倒というものが非常に身近に起きていることがよくわかるかと思います。
転倒・骨折は、認知症や脳血管障害と並び要介護状態の主要な要因の一つとなっており、全体の13%となっています。また、男女比に関しては男性が5.8%であるのに対し、女性は16.5%と非常に高く、女性の方が転倒・骨折が要因で介護状態へ移行する割合が高くなっていることがわかります。
若い時であれば転倒し軽いけがですむこともありますが、高齢者の場合は骨折や頭部外傷など大事故になる可能性があり、回復までに時間がかかることから、その間に身体機能が低下してさらに転倒リスクが高くなってしまいます。また、けがをせずに済んだとしても、転倒したことから恐怖心が生まれ、体を動かす機会が減少し、身体機能が低下していく悪循環に陥り、最終的に車いす生活や寝たきり生活といった要介護状態となってしまう可能性もあります。このことからも転倒を予防すること、悪循環を断ち切ることが大切であることが再認識できるかと思います。
健康寿命とは、健康上に問題がなく日常生活を過ごせることができる年齢のことで現在、平均寿命と健康寿命の間には、男性で8.7年、女性で12.1年と平均して約10年の差が存在し、この期間が介護が必要となる不健康期間となっております。10年ってすごい長いですよね!
先ほども述べた通り転倒は、要介護状態をまねく主要な要因の1つで、不健康期間を作り出してしまい健康寿命を短くするといった悪因となっていることがよくわかるかと思います。
転倒の怖さと転倒予防の重要性に関して、少し認識して頂いたかと思います。では、なぜ転倒が起こるのでしょうか?転倒予防に取り組む上で原因を理解しておくことはとても大切なことですので、ここでは転倒の原因についてご説明します。
転倒の原因には、大きく分けて3つ要因が絡んでおります。一つ目は個人が転びやすい状態である内的要因、二つ目は転倒へ繋がるような周辺環境である外的要因、そして、三つ目は普段の状態であれば転倒しない場合でも、焦りがあったなど何かしらの影響が加わることで転倒に繋がるきっかけとなる誘発要因があります。本来であれば全てをご説明したいところですが、今回はこの中の、内的要因に絞って説明をします。
内的要因には、加齢や運動不足からくる身体機能の低下に加え、疾患の合併や薬物使用があり、それぞれに対策が異なります。今回は、この身体機能低下の中でも転倒リスクを最も高めてしまうとされる筋力低下についての転倒予防体操をご紹介します。
筋力低下を防ぐためには筋力トレーニングを行いますが、転倒予防には特に下肢の大きな筋肉が重要で、負荷量としては自分の体重程度までの負荷、回数は部位に合わせて10回〜20回程度で行います。主にはモモの筋肉、向う脛やふくらはぎの筋肉、お尻周囲の筋肉が大切となります。


まずは座って行える運動ですが、画像のようにつま先を上げて、降ろすと同時に踵を上げる動作を繰り返す交互運動です。つま先を上げて踵を上げるを一回として、前、後、前、後と繰り返して20回続け行います
次に座ったまま足踏みをする運動です。上げた足と反対側の腕を上げて、腕もしっかり振って下さい。こちらも右足、左足を一回として、20回行います。
次は膝伸ばしです。座ったまま膝を伸ばしていきますが、このときに上げる際には①②と2秒程度、降ろす際にはゆっくり①②③④と4秒程度でゆっくり行い、降ろしたときに足の裏は床に足を着けないように行います。左右10ずつ行ってみましょう。
続いて立って行う運動です。立って行う際には転倒の危険性があるため、手すりや机、椅子の背もたれなどを持ってバランスを取りながら行って下さい。
まずは踵上げです。体を真上に持ち上げるように伸ばしていきます。このときに、体が前に傾いて、手にもたれかからないように注意してください。
また、この運動も上げるときは早く2秒程度、降ろすときはゆっくり4秒程度で行い、降ろしたときに踵が床に完全に着かないようにして、15回繰り返してください。
次にスクワットです。こちらの運動も降ろすときは4秒かけてゆっくり降ろしていきますが、膝が前に出過ぎたり、体が前に倒れすぎたりしないようにしてください。無理のない範囲で腰を降ろしたら立ち上がりますが、その際には2秒程度で立ち上がって下さい。
こちらの運動は10回行っていきますが、続かない場合はスクワットではなく、椅子での立ち座りを連続して行ってみて下さい。

最後に片足立ちですが、手で支えてる方と同じ側の足を上げて、20秒保って下さい。できる限り画像のように体が傾かないように真っすぐ実施して下さい。
いかがでしたでしょうか?転倒予防の重要性について少しでも興味を持って頂けましたでしょうか?転倒予防については、厚生労働省をはじめ日本理学療法士協会やその他多数の団体において、様々な内容がご紹介されておりますので参考にして頂き、今後の生活の一部に取り入れて健康寿命を延伸して頂ければ幸いです。
臨床療法室 鎗水
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