当院心臓センターは心臓血管外科と循環器内科の強力な連携により、24時間、365日、緊急手術を含めたあらゆる心臓血管疾患治療が可能であります。
地域医療拠点病院としての役割を果たし、地域の皆さまに頼りにされるような循環器チーム医療を目指して参ります。当院で心臓血管治療を受けて良かった、と思っていただけるような、患者さまのための医療、質の高い医療を提供し、皆さまの期待に沿える様、全力で心臓血管外科治療に邁進して参ります。
狭心症・心筋梗塞:狭心症とは、心臓を形作る筋肉(心筋)への血液を供給する主要な3本の血管(冠状動脈、3本の血管とは①右冠動脈、②左冠動脈前下行枝、③左冠動脈回旋枝を指します。)に高度の狭窄が生じて、その灌流域の心筋に血液の不足した状態をさします。また、心筋梗塞は冠状動脈が閉塞し心筋が壊死したものです。狭心症や心筋梗塞により心臓の機能が不十分となり、労作時の胸痛・胸部不快感・息切れ、時には安静時にも同様の症状を呈します。 当院の心臓センターで行う冠動脈カテーテル検査の結果に基づいて、カテーテル治療もしくは冠動脈バイパス術を選択・施行し、心筋の血流不足を解消します。近年、どこの施設においても、カテーテル使用下での血管内治療が増えており、冠動脈バイパス手術の需要が減少していますが、それでも、糖尿病や血液透析導入後で病変が多枝病変の場合には冠動脈バイパス術が推奨されています。患者様の病態・病状により、最も安全で効率的な治療選択を行わせていただきます。また、冠動脈バイパス手術を行う際に体外循環(人工心肺)を用いて行うか、体外循環を使用しない心拍動下手術(OPCAB)にするかは、適宜、患者さんの状態を鑑みて選択します。当科はどちらの手法にも習熟しています。これらの手術により、患者さんの生活の質の向上に努め、最良の結果を得られるようにしています。
心筋梗塞の合併症:重篤な合併症の場合、当科は積極的に外科治療を行い、心臓の機能回復を図るように努めます。なかでも①心室中隔穿孔、②乳頭筋断裂による(急性)僧帽弁閉鎖不全症、③左室破裂は循環が急激に破たんするため、患者さんの状態によって緊急手術もしくは準緊急手術が必要です。また、④虚血性僧帽弁閉鎖不全症に対しては僧帽弁の形成を行い、⑤心室瘤、⑥虚血性心筋症に対しては、左室形成術などを行います。
主に大動脈弁、僧帽弁、三尖弁の各弁機能に支障が生じた場合に手術が必要になります。患者さんの弁の性状や病状を十分に評価した上で、形成術もしくは人工弁置換手術を施行します。特に僧帽弁、三尖弁の逆流については、可能な限り自己弁を温存した弁形成術を施行するようにしています。高齢者の大動脈弁狭窄症が増加しています。心不全や失神、胸痛などの有症状の大動脈弁狭窄では、放置すると2-3年の予後とされており、急変する危険性があります。近年の開胸下大動脈弁置換術の予後は良好であり、年齢にかかわらず、一度ご相談いただくことをお勧めいたします。人工弁置換術で使用する人工弁(機械弁、生体弁のいずれか)の選択は、患者さんの年齢やライフスタイル、人生観などを十分に考慮して、それぞれの弁の長所や短所を患者さんに十分にご理解いただいた上で決定します。 さらに、低侵襲心臓手術(MICS)への取り組みの一つとして、十分に適応を考えたうえで胸骨小切開(小開胸)による弁膜症手術を行います。
胸部大動脈や腹部大動脈の真性瘤や慢性解離性大動脈瘤に対して、当院が保有する64列マルチディテクターを有するCTで術前に十分な評価を行い、綿密な治療方針を決定した上で、積極的に治療方針を決定させていただきます。病態、病状により人工血管置換術もしくは大動脈瘤内ステントグラフト内挿術を施行します。当科では、ステントグラフト治療を導入し、大血管手術にも低侵襲での加療が可能となりました。また、急性大動脈解離や胸部・腹部大動脈瘤破裂などに対しての緊急手術体制が充実し、24時間の対応が可能となりました。胸部大動脈解離胸部大動脈手術の際は低体温下に選択的脳灌流を行い、安全な脳保護のもとに手術を行います。
閉塞性動脈硬化症に対して、当院心臓センターは積極的に血行再建術を施行しています。循環器内科とも協議しながら、血管内治療、血管バイパス術を選択加療または、それらを組み合わせることで最良の結果を得るようにしています。下肢静脈瘤については、ストリッピング、高周波治療等、患者様の病態に合わせて加療方針を決定します。
心房粗動・細動に対して、高周波を用いて心房壁を焼灼し電気的隔離することでこれらの不整脈を止める手術(メイズ手術)を他の開心術の際に積極的に併施しています。不整脈単独では、循環器科にてアブレーションが施行されており、弁膜症合併の場合は、心臓センター内で検討して加療方針を決定しています。徐脈性不整脈や房室ブロックに対してはペースメーカー植込み術を行っております。当院はペースメーカー外来を設けており、ペースメーカー装着後の患者さんには、定期的に外来を受診していただき、綿密な管理及び経過観察を行っています。
当院はリハビリテーションセンターを有し、心疾患の患者さんへは心臓リハビリテーション室で専任スタッフ(医師、理学療法士)による心臓リハビリテーションを行っています。現在、心臓リハビリテーション指導士1名を含む5名の理学療法士が専任スタッフとして入院・通院患者さんへの心臓リハビリテーションを提供しています。心臓手術前後、さらには退院後の外来における運動療法の提供や生活指導を行っています。
心臓の病気・診断・治療・手術に関する話をQandA形式でわかりやすく解説しています。
当科は大阪大学心臓血管外科と近畿大学心臓血管外科、両大学病院の関連施設であり、密接な連携の下で心臓血管外科診療を行っております。当院の心臓センターは一般心臓血管疾患に対して急性/慢性を問わず常時診療が可能です。また、経カテーテル大動脈弁置換術(TAVI)や心臓移植や再生医療といった重症心不全外科治療等の診療においても、その橋渡しという形でお役に立てるものと考えます。
大阪大学医学部附属病院のある北摂から近畿大学医学部附属病院のある泉州までの広域において、大阪の中央地域の拠点病院の一つとして心臓血管疾患に対して外科治療を提供してゆきたいと考えております。宜しくお願い申し上げます。
宮本 裕治(みやもと ゆうじ)
診察日 | 月曜日(午前 初診・再診) |
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役職 | 病院長 |
主な 専攻分野 |
弁膜症、大動脈疾患、冠動脈外科、心不全外科 |
所属学会・ 資格等 |
日本外科学会指導医、日本胸部外科学会指導医、日本心臓血管外科学会専門医特別会員、日本血管外科学会名誉会員、日本人工臓器学会特別会員、関西胸部外科学会名誉会員、日本脈管学会脈管専門医、医学博士(大阪大学) 【国外学会】 米国胸部外科学会(STS)、ヨーロッパ心臓血管外科学会(EACTS)、米国人工臓器学会(ASAIO)、国際人工臓器学会(ISAO)、国際心肺移植学会(ISHLT)、アジア心臓血管外科学会(ASCVS) |
略歴 | 昭和53年 大阪大学医学部 卒業 昭和53年 大阪大学医学部第一外科研修医 昭和54年 国立呉病院 外科医員 昭和57年 大阪市立小児保健センター 心臓血管外科医員 昭和58年 大阪大学第一外科医員 昭和61年 Buffalo General Hospital (Research and Clinical Fellow) 昭和62年 Miami Children's Hospital (Clinical Fellow) 昭和63年 University of Pittsburgh (Cardiac Transplant Fellow) 平成 1年 桜橋渡辺病院 心臓血管外科医員 平成 2年 大阪大学第一外科助手 平成 6年 八尾徳州会病院 心臓血管外科部長 平成 8年 桜橋渡辺病院 心臓血管外科部長 平成14年 大阪大学大学院医学系研究科臓器制御外科 (旧第一外科) 講師 平成16年 大阪大学大学院医学系研究科臓器制御外科 (旧第一外科) 助教授 平成16年 兵庫医科大学 心臓血管外科学講座主任教授 平成30年 国家公務員共済組合連合会大手前病院 病院長 |
須原 均(すはら ひとし)
役職 | 副院長、心臓血管外科部長、心臓センター長、集中治療センター長、中央手術部センター長、中央滅菌組立室センター長、救急センター長 |
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所属学会・ 資格等 |
日本外科学会専門医・指導医、日本胸部外科学会正会員、 日本心臓血管外科専門医、日本心臓血管外科専門医認定機構修練指導者、胸部大動脈瘤ステントグラフト実施医、腹部大動脈瘤ステントグラフト実施医・指導医、医学博士(大阪大学) |
山本 臨太郎(やまもと りんたろう)
亀井 洋幸(かめい ひろゆき)
役職 | 臨床工学技士 |
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所属学会・ 資格等 |
体外循環技術認定士、呼吸療法認定士 透析技術認定士、MDIC(医療機器情報コミュニケータ) 日本臨床工学技士会、日本体外循環技術医学会 日本人工臓器学会、日本急性血液浄化学会 日本アフェレーシス学会 |
山本 勇守(やまもと ゆうま)
役職 | 臨床工学技士 |
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所属学会・ 資格等 |
体外循環技術認定士、透析技術認定士 日本臨床工学技士会、日本体外循環技術医学会 日本人工臓器学会 |
西田 恵(にしだ めぐみ)
役職 | 臨床工学技士 |
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所属学会・ 資格等 |
日本臨床工学技士会 |
布施 滉太(ふせ こうた)
役職 | 臨床工学技士 |
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所属学会・ 資格等 |
日本臨床工学技士会 |
日付 | 曜日 | 担当 | 備考 |
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休診・代診情報はありません。 |
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |
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午前 |
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須原 ペースメーカー外来 |
山本 |
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午後 |
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- |
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