診療科・部門・センターのご案内

消化器外科

診療科の特徴と診療内容

診療の特徴
  • 消化管(胃・大腸)、胆石症、虫垂炎、鼡径ヘルニアの手術は腹腔鏡手術を原則としています。
  • 癌の診断後は手術待機期間が極力短くなるように努めています。特に癌の緊急症(Oncologic Emergencyとよばれるもの)に関しては優先的に対処しています。
  • 救急疾患、緊急症例にも対応しています。
  • 高度進行癌や再発癌に対しては手術、化学療法、放射線治療を組み合わせて集学的治療を行っています。
  • 根治が得られなかった癌患者さんに対しては、化学療法、緩和的治療まで当科で切れ目なく治療を行います。
診療内容
悪性疾患(癌)
  • 上部消化管:胃癌、食道癌、GIST(消化管間質性腫瘍)
  • 下部消化管:大腸癌、小腸癌
  • 肝胆膵: 肝癌、胆嚢/胆管癌、膵癌
良性疾患
  • 機能性疾患(食道裂孔ヘルニア、直腸脱、痔核/痔瘻)
  • 体表疾患(ソケイヘルニア、臍ヘルニア、腹壁瘢痕ヘルニア)
  • 胆道疾患(胆石症、総胆管結石)
  • 炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)
緊急疾患(胆嚢炎、虫垂炎、消化管穿孔、絞扼性イレウス、ヘルニア陥頓)
その他 脾臓、副腎腫瘍、体表/腹腔内リンパ節生検 胃瘻造設

癌診療に関して

  • 病名告知
    癌治療を行う上で癌の告知は必要と考えています。病名はもちろんのこと、病状も理解いただいたうえで患者さん、医療スタッフ両者が同じ方向性をもって診療にあたることが必要と考えます。
  • 根治的治療
    消化器癌において「根治」を得るには切除(手術治療)が一番の近道です。ただし手術のみでは根治が得られにくい場合には化学療法(抗癌剤医療)や放射線治療を併用して根治の可能性を高めます。
  • 緩和的治療
    残念ながら根治が得られない(難しい)患者さんに対しては進行を遅らせ、症状を軽くする治療が必要になります。これを緩和的治療といいますが、手術で行う緩和的治療もあります。癌によって胃腸の一部が通らなくなった場合、これを切除するのではなく迂回(バイパス)したり人工肛門をつくったりすることで飲食/排泄の経路を確保することがあります。当科ではこういった患者さんに対する緩和的手術も可能な限り行っています。

腹部救急疾患に対する外科治療

急性腹症(急激な腹痛や徐々にひどくなる腹痛)では緊急手術が必要になるものも少なくありません。その代表的なものを紹介します。

  • 急性胆嚢炎
    多く場合は胆嚢内の石が胆嚢頚部(胆嚢の出入口)に陥頓(はまり込んだ状態)を生じて胆嚢炎を生じます。可能な限り緊急で胆嚢をとる手術(腹腔鏡下胆嚢摘除術)を行います。他の病気があるなどの理由で全身状態が悪い場合には胆汁を外に逃がす(経皮経肝胆嚢ドレナージ:PTGBD)と抗生剤治療で全身状態を改善してから手術を行います。胆嚢を取ることで後遺症や生活の制限はありません。
  • 急性虫垂炎
    大腸の始まり(盲腸)の先に虫垂という組織があり、それが炎症を起こして腫れ上がった状態です。通称「もうちょう」と言われるものです。緊急で手術(腹腔鏡下虫垂切除)を行いますが、虫垂の炎症が高度な場合は小腸~大腸の一部も含めた切除(回盲部切除)が必要になります。回盲部切除を避けるため、抗生剤治療で炎症を抑え、その2か月後以降に虫垂切除を行う方法(Interval appendectomy)という方策もあります。
  • 絞扼性イレウス
    腸間膜がねじれて血流障害を生じ、その結果腸管が壊死する可能性のある腸閉塞で、複雑性イレウスとも呼ばれます。腸管の壊死が無くても「絞扼」と診断されれば手術治療が原則です。絞扼解除のみですめばいいのですが、腸管がすでに壊死していた場合は腸管切除が必要になります。
  • 消化管穿孔
    昭和の時代は胃十二指腸潰瘍の穿孔が多かったのですが、現在では大腸癌による腸閉塞で穿孔する例が多くなっています。穿孔の原因(癌かそれ以外か)、穿孔の部位(胃十二指腸、結腸、直腸)によって対処方法、術式ばかりでなく、生命の危険度(救命率)が異なってきます。

全国胃癌登録事業参加について

   当院では、患者さんに安心して医療を受けていただくために、安全な医療をご提供するとともに、患者さんの個人情報の取り扱いにも、万全の体制で取り組んでいます。

 

 日本胃癌学会(事務局:京都府立医科大学消化器外科内、FAX:075-251-5522)では、学会に参加する施設で診療を行った胃癌患者様の診断・治療情報を登録し、胃癌の発生・受療の状況、予後を明らかにし、胃癌の予防、胃癌対策、胃癌医療の向上に役立てる取り組み(全国胃癌登録)を実施しています。この事業は、その時点での我が国の胃癌診療の現況を浮き彫りにし、基礎と臨床の種々の研究に貢献しさらに、国際的な規約・規定の策定・改定にも寄与してきました。集計結果は、統計的な考察を加えて日本胃癌学会誌“Gastric Cancer”に適時英文掲載されます。

 

 当院は、上記の日本胃癌学会による全国胃癌登録の趣旨に賛同し、登録事業に積極的に協力しております。当院で診療を行いました胃癌患者さんについては、個人情報を削除した後、診断・治療情報を胃癌学会事務局に届出いたします。但し、文書による非同意の意思表示がなされた場合には届出を致しません。また、後に非同意や登録の削除を申し出られました場合にも登録を削除いたします。ご不明な点などありましたら、窓口の担当者までお気軽にお尋ねください。

臨床研究

参加中の臨床研究の情報を公開しています。

課 題 名研究期間情報公開文書
外科症例臨床データベースを利用した臨床調査研究 2020年9月16日 ~ 2027年12月 情報公開文書.pdf
大腸癌手術に対するCOVID-19の影響に関する後方視的解析 2021年5月19日 ~ 2025年3月31日 情報公開文書.pdf
再発高リスク消化管間質腫瘍に対する完全切除後の治療に関する研究(STAR ReGISTry)の追跡調査 2021年5月19日 ~ 2026年3月31日 情報公開文書.pdf
大腸癌肝転移を対象とした前向きレジストリ研究 2022年3月1日 ~ 2027年9月 情報公開文書.pdf
当院における急性虫垂炎に関する包括的疫学研究 2022年11月16日 ~ 2023年9月30日 情報公開文書.pdf
閉鎖孔ヘルニアの病態及び治療法と予後についての全国調査研究 2023年11月8日 ~ 2024年6月30日 情報公開文書.pdf
進行再発大腸癌の希少フラクションにおけるリアルワールドデータ作成のための前向き多機関共同研究 2023年11月29日 ~ 2030年3月31日 情報公開文書.pdf
大腸癌全例前向きデータベース研究 2024年4月10日 ~ 2033年3月31日 情報公開文書.pdf
StageⅣ胃癌に対する治療成績に関する多施設後ろ向き観察研究(OGSG2301) 2024年5月31日 ~ 2026年3月31日 情報公開文書.pdf

医師紹介

  • 大口 善郎(おおぐち よしろう)

    大口 善郎(おおぐち よしろう)
    役職 名誉院長
    所属学会・
    資格等
    (経歴)日本外科学会外科専門医・指導医、日本消化器外科学会認定医・指導医、日本消化器外科学会消化器がん外科治療認定医、日本医療マネジメント学会、厚生労働省臨床研修指導医、厚生労働省臨床修練指導医
    略歴 昭和48年 大阪大学医学部卒業

    昭和49年 大阪労災病院外科

    昭和52年 大阪大学医学部付属病院

    昭和58年 国立呉病院外科

    昭和61年 アメリカ合衆国ミネソタ州立大学(2年間)

    平成 2年 大手前病院外科・部長

    平成 5年 同診療部長

    平成10年 同副院長

    平成12年 大阪大学臨床教授(4年間)

    平成20年 大手前病院長

    平成30年 大手前病院顧問

    令和 5年 大手前病院名誉院長
    ひとこと 大手前病院のモットーである「高度な医療と温かい人情の調和」をこれからも実践していきます。
  • 玉川 浩司(たまがわ ひろし)

    玉川 浩司(たまがわ ひろし)
    診察日 金曜日(午前)
    役職 消化器外科(下部消化管)部長
    主な
    専攻分野
    下部消化管、炎症性腸疾患
    所属学会・
    資格等
    日本外科学会外科専門医・指導医、日本消化器病学会専門医、日本消化器外科学会専門医、日本消化管学会胃腸科専門医、日本創傷治療学会、日本がん治療認定医機構がん治療認定医、日本臨床外科学会、日本腹部救急医学会、日本大腸肛門病学会、近畿外科学会評議員
    略歴 平成 5年 大阪大学医学部 卒業

    平成 5年 大阪大学医学部附属病院 研修医

    平成 6年 川崎病院 外科

    平成 8年 国立呉病院 レジデント

    平成 9年 大阪厚生年金病院 外科医員

    平成15年 大阪医療刑務所 法務技官医師

    平成17年 米国ヴァージニア大学医学部消化器病学 研究員

    平成20年 大阪府立急性期・総合医療センター 外科医長

    平成22年 同上 外科副部長

    平成25年 国家公務員共済組合連合会大手前病院 外科医長

    平成28年 同上 消化器外科部長
  • 宮垣 博道(みやがき ひろみち)

    宮垣 博道(みやがき ひろみち)
    役職 消化器外科(上部消化管)部長
    主な
    専攻分野
    食道癌・胃癌・鼠経ヘルニア・腹壁ヘルニア・腹部救急疾患
    所属学会・
    資格等
    日本外科学会【専門医・指導医】

    日本消化器外科学会【専門医・指導医】

    日本消化器病学会【専門医・指導医】

    日本内視鏡外科学会 【技術認定医(消化器・一般外科、胃)】

    日本がん治療認定医機構がん治療認定医

    消化器がん外科治療認定医

    日本食道学会食道科認定医



    日本食道学会・日本胃癌学会・日本内視鏡外科学会・日本臨床外科学会・日本ヘルニア学会・日本緩和医療学会・日本臨床栄養代謝学会・日本大腸肛門病学会・日本癌治療学会

    The Society for Surgery of the Alimentary Tract(Active Member)

    NST医師歯科医師教育セミナー修了・臨床研修指導医講習修了

    医学博士(大阪大学)

    略歴 平成14年 大阪大学医学部卒業

    平成15年 国立病院機構大阪医療センター

    平成18年 市立池田病院外科

    平成20年 大阪大学医学部附属病院

    平成24年 大阪大学医学部医学研究科卒業 博士課程修了

    平成24年 米国ニューヨーク市St. Luke’s-Roosevelt病院(現マウントサイナイウェスト病院)

    平成26年 大阪府済生会千里病院外科

    平成30年 大阪労災病院 外科

    令和 5年  大手前病院 外科

  • 日向 聖(ひゅうが さとし)

    役職 医長
    所属学会・
    資格等
    日本外科学会専門医

    日本消化器外科学会専門医

    日本消化器外科学会消化器がん外科治療認定医

  • 斎藤 百合奈(さいとう ゆりな)

    役職 医長
    所属学会・
    資格等
    日本外科学会【専門医】

    日本消化器外科学会【専門医・指導医】

    日本消化器病学会【専門医】

    日本がん治療認定医機構がん治療認定医

    消化器がん外科治療認定医

    食道科認定医



    日本食道学会・日本胃癌学会・日本内視鏡外科学会・日本臨床外科学会・日本ヘルニア学会・日本緩和医療学会・日本臨床栄養代謝学会・日本癌治療学会・日本癌学会・日本がん転移学会

    NST医師教育セミナー修了

    医学博士(大阪大学)

    略歴 平成22年 大阪大学医学部卒業

    平成24年 国立病院機構大阪医療センター初期研修修了

    平成27年 国立病院機構大阪医療センター後期研修修了

    平成31年 大阪大学医学部医学系研究科 博士課程修了

    平成31年 大手前病院 外科
  • 知念 良直(ちねん よしなお)

    役職 医員
  • 釜野 聡平(かまの そうへい)

    役職 レジデント

休診・代診情報

日付 曜日 担当 備考
2024年7月30日 宮垣 休診
2024年8月13日 宮垣 休診
2024年8月15日 宮垣 休診
2024年8月26日 日向 休診
2024年9月3日 ストマ外来 休診
2024年9月6日 ストマ外来 休診
2024年9月25日 知念 休診

外来担当表

午前

日向
(肝胆膵)

齊藤
一般)

ヘルニア外来

宮垣
(上部消化管)

知念
(一般)

釜野
(一般)

宮垣
(一般・上部消化管)

ヘルニア外来

玉川
(消化器・下部消化管)

午後

玉川
(肛門外来)

齊藤
一般)

緩和ケア外来
(予約制)

ストーマ外来
(認定看護師)

-

-

玉川
消化器・下部消化管)

ストーマ外来
認定看護師)

Access
最寄り駅

大阪メトロ谷町線「天満橋駅」下車
1・3番出口より徒歩約5分

京阪電車「天満橋駅」下車徒歩約5分

JR東西線「大阪城北詰駅」下車徒歩約15分

住所

〒540-0008 大阪府大阪市中央区大手前1-5-34

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